さらさだより1号

2010/02/13 4:23 に snowbasket@hotmail.co.jp が投稿   [ 2010/02/14 13:40 に Yasuhiko Moriguchi さんが更新しました ]
  野山が雪に覆われ、連日雨降りしきる泥道が続く僻村の冬が終わろうとしています。
薪ストーブの傍らで原毛を紡ぎ、老若男女の別なく好まれる素朴で堅固な、かつおしゃれな帽子を作り続ける作業も一段落というところ。
 木の内皮・外皮・草・花・実のエキスを染めるというのは自然を科学すること、と実感するこのごろです。
 京の出店で遠来の客の買い求めた毛糸玉の追加を、同浴同媒染で丁寧にたどったときのこと。同一色を得るのは微妙。それは夏に染めたものだったから。また注文のオリジナルセーター。男物で、緑の好きな人に応えるべくいろいろな染め材料を駆使して頑張った晩秋の思い出。自由に配色を任されたとはいえ、深緑・青緑・縹色・萌黄...と一色に留まらない青と黄の重ね色。いつも染めている「あの色」を出すとくわだてれば、かえって自然は逆らい、不可解な反応をぶつけてくる。長年同じことを繰り返してきたリフレインなのだから、馴れ親しんだ楽曲の一節のように、好きな画家の見慣れた絵画のように「あの色」が出るはず。
 四季を一循環する植物のその時の季節・気候の生気をもらい、アルカリと酸の間を漂わせ、ついでに人も行きつ戻りつ、ダンスダンスしながら”このへんやろう”と色を取り出してくるのですが、微妙な色や素材を扱った場合、その都度一つ一つ色を見つけるようで、即興的作業(アドリブ)を要します。
 ありきたりのいつもの光景ながら、この見つけることが、「やった」というような「すごいなあ」という確かな手ごたえでもあります。
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