さらさ便り


アケビを残して...

2010/05/23 3:15 に Yasuhiko Moriguchi が投稿   [ 2010/05/23 4:06 に更新しました ]




小屋の端に絡まった三つ葉アケビの蔓。これを残したくて、この雨漏りする、崩れ落ちかけていた小屋の解体を断念。反対の端の救えない部分は取っ払って、5分の3を残した。

この下の写真が修復前の状態。



作業中


出来上がり


違ったアングルで


蛍見台に最適





田舎の英語教室

2010/05/22 23:59 に Yasuhiko Moriguchi が投稿   [ 2010/05/23 3:11 に更新しました ]













工房の「木屋」と呼ばれる建物。左の写真が昨年12月の状態。右が現在の状態である。今春、9年間市街地で開いていた英語教室を、工房のある自宅に移すことにした。元の教室の場所から田舎に向かい3里12キロの場所にある。生徒たちのほとんどは市街地に住んでいるので、生徒数がゼロになることを覚悟しての決断であったが、嬉しい驚きで、様々な塾通いに忙しい一人の小学生の女の子を除いて全員が続いて来てくれることになった。中にはこの距離を自転車でやってくる高校生も複数いる。今のところ全く宣伝をしていないので、誰もこんなところに英語教室があることも知らない。秘密の山小屋風英語教室だ。名前は「空山塾」、空山を望み、田んぼに囲まれた場所にある。


この2階建ての建物は農機具や道具をしまっておくための納屋で、ものでいっぱいだった。中に入っているものを全て出して空っぽにすると、素敵な空間になった。2階は教室には必要ないので、そのうちに(私のペースでは「そのうち」というのは2,3年、下手をすると10年もありえる)ベッドでも作って人を泊める部屋ができればいいね、と言っていたのだが、あるものを組み合わせると、意外や意外、もう出来てしまった。その様子が下の写真。ついでに教室の前から見える空山の写真もおまけに。





花籠に月を入れて

2010/02/26 16:17 に Yasuhiko Moriguchi が投稿   [ 2010/03/01 23:28 に更新しました ]

花籠に月を入れて
漏らさじこれを
曇らさじと
持つが大事な

-- 「閑吟集」室町時代


                                                            Now this
                                                            is the all
                                                            and the ever--

                                                                enter
                                                                    as the moon-
                                                                    beam slides into
                                                                    a flower basket

                                                                hold,
                                                                    do not spill

                                                                and unclouded
                                                                    keep its light


--translated by Yasuhiko Moriguchi and David Jenkins


 この
サ イトのドメインネーム・アドレスのmooninbasketは、この歌の「花籠に月を入れて」、"As the moonbeam slides into a flower basket"から採りました。

 月はyang(男性性)、花籠はyin(女性性)の世界を代表していると思えます。どこか草木染の暮らしにも通じるものがあるんです。



宇宙の香りするグレー

2010/02/13 4:53 に snowbasket@hotmail.co.jp が投稿   [ 2010/02/13 5:11 に Yasuhiko Moriguchi さんが更新しました ]

草木染のはなし 第1回

 さらさだよりでは、これから時折偶然見つけた素材の話、あるとき見つけた色、組み合わせの手作りの妙など、つなぎの仕事としてのはなしを載せていきたいと思っています。

 灰色は洋の東西を問わず色の混じった不思議色。
 ...人を揶揄して「黒でも白でもなく限りなくグレー」と評したり。
 草木染の場合、灰自体はとても重要でいろいろに使いこなします。大きく分けると薄赤茶(ピンク)と薄黄(クリーム)の無媒染状態から鉄(黒)をまぶしグレーに変化したものです。
桜ねずみと銀ねずみと言われている色。一つは桜・梅・欅・赤い椿の花染といった向こうに桃色が透けて見えそうな茶味のグレー。一つは生の藍の茎・桜の花びら・クサギのガクが手に入ると美しい銀ねずみ。また紅梅・白梅の生枝がときに青みの灰...鳩羽ねずみ。蓬・緑茶の若葉は緑みの灰すなわち利休ねずみ。
 そして当工房のハーブたち。ラベンダー・ローレル・ミント、ローズマリー・カモミールの生花。それぞれに変化する自然から贈られるグレーです。

さらさだより1号

2010/02/13 4:23 に snowbasket@hotmail.co.jp が投稿   [ 2010/02/14 13:40 に Yasuhiko Moriguchi さんが更新しました ]

  野山が雪に覆われ、連日雨降りしきる泥道が続く僻村の冬が終わろうとしています。
薪ストーブの傍らで原毛を紡ぎ、老若男女の別なく好まれる素朴で堅固な、かつおしゃれな帽子を作り続ける作業も一段落というところ。
 木の内皮・外皮・草・花・実のエキスを染めるというのは自然を科学すること、と実感するこのごろです。
 京の出店で遠来の客の買い求めた毛糸玉の追加を、同浴同媒染で丁寧にたどったときのこと。同一色を得るのは微妙。それは夏に染めたものだったから。また注文のオリジナルセーター。男物で、緑の好きな人に応えるべくいろいろな染め材料を駆使して頑張った晩秋の思い出。自由に配色を任されたとはいえ、深緑・青緑・縹色・萌黄...と一色に留まらない青と黄の重ね色。いつも染めている「あの色」を出すとくわだてれば、かえって自然は逆らい、不可解な反応をぶつけてくる。長年同じことを繰り返してきたリフレインなのだから、馴れ親しんだ楽曲の一節のように、好きな画家の見慣れた絵画のように「あの色」が出るはず。
 四季を一循環する植物のその時の季節・気候の生気をもらい、アルカリと酸の間を漂わせ、ついでに人も行きつ戻りつ、ダンスダンスしながら”このへんやろう”と色を取り出してくるのですが、微妙な色や素材を扱った場合、その都度一つ一つ色を見つけるようで、即興的作業(アドリブ)を要します。
 ありきたりのいつもの光景ながら、この見つけることが、「やった」というような「すごいなあ」という確かな手ごたえでもあります。

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